初めて自分で購入したお車やご家族との大切な時間を共に過ごしたお車など、特別な思い出が詰まったお車を手放すときはとてもさみしいものです。
実は、そのような愛車の思い出を、ナンバープレート1という形でいつまでも残すことができるのです。
この記事では、ナンバープレートの記念所蔵制度の概要や手続きの流れ、費用などを詳しく解説します
愛車のナンバープレートを「記念所蔵」できるって本当？
愛車のナンバープレートを記念にもらえる制度をご紹介します。
自動車のナンバープレートは、お車を使う場所（使用の本拠といいます）の運輸支局や自動車検査登録事務所、軽自動車検査協会の管轄ごとに地域名が表示されています。
引越しや名義変更で自動車の使用の本拠の管轄が変わると、古いナンバープレートを返却し、新しいナンバープレートを取り付けなければなりません。
また、廃車の場合はナンバープレートを返却する必要があります。
このような場合は、どんなに思い入れのあるお車のナンバープレートも返却しなければならず、返却されたナンバープレートは再利用されずに通常は破砕処理されます。
これは、ナンバープレートの悪用を防ぐための措置であり、法律2によって義務づけられています。
ところが2017年4月より、ラグビーワールドカップや東京オリンピックの開催を記念した特別仕様のナンバープレートが作られたこと3を契機に法律が改正され、ナンバープレートに直径4cm以上の穴をあけることで、記念として所蔵できる制度がスタートしました。
記念ナンバープレートについてはこちらの記事をご参照ください。
この制度により、返納しなければならなかったナンバープレートをお手元に残すことができるようになりました。
どんなお車のナンバープレートが記念所蔵の対象になるの？
記念所蔵が可能なナンバープレートは、普通車4、軽自動車、そして排気量が125ccを超える二輪車のナンバープレートです。
125ｃｃ以下の二輪車（原付バイクなど）や市役所などに登録する小型特殊自動車のナンバープレートは制度の対象外です。
いつ使える制度なの？（記念所蔵できる5つの場合）
ナンバープレートの記念所蔵制度は、次のような手続きの場合に利用できます。5
- ・お車の名義変更5でナンバープレートが変更となる場合。
- ・お引っ越しなどでお車の管轄が変わるためにナンバープレートが変更となる場合。
- ・単にお車の登録番号（軽自動車等7は車両番号）を変更する場合。
- ・登録番号や車両番号を変更せずにナンバープレートを交換する場合8
- ・お車の登録を抹消または使用を一時中止する場合。
ナンバープレートの記念所蔵の注意点
下取や買取の場合
お車をディーラーに下取りに出される場合や買取事業者に販売される場合は、お車の引渡し前にナンバープレートの記念所蔵ができるか事業者にご確認ください。
下取りや買取ったお車の手続きの手順上、ご希望に対応できない場合もございます。
このような場合は、ご自身で事前に番号変更を行い、あらかじめナンバープレートの記念所蔵をしたうえで、お車を引き渡す方法がございます。
希望ナンバーや図柄ナンバーへの変更・交換の場合
希望ナンバーや図柄ナンバーは受注生産方式で製作されます。
申込から交付までに所定の日数がかかります。
申込当日に登録や交換の手続きは行えませんのでご注意ください。
ちなみに、運輸支局・自動車検査登録事務所や軽自動車検査協会が申請の順番ごとに番号を割り当てる一連指定番号のナンバープレートに変更する場合は当日でも手続きが行えます。
ナンバープレートの記念所蔵の費用は？
ナンバープレートの記念所蔵にかかる費用は以下の通りです。
| 費目 | 金額 | 備考 |
| ナンバープレート代 | 4,000円～12,000円程度 | 地域や大きさによって金額に差があります。管轄の運輸支局・自動車検査登録事務所、軽自動車検査協会にご確認ください。 図柄ナンバーの交付手数料は以下のリンクよりご確認お願いします。 大阪万博記念ナンバー 地方版図柄ナンバー 全国版図柄ナンバー |
| 破壊処理（穴開け）手数料 | 300円～1,000円程度 | 古いナンバープレートに穴をあける作業の手数料です。 ご自身で穴あけを行うと無料ですが、自動車登録番号標交付代行者（ナンバープレート交付所）に依頼するときれいな穴をあけてくれます。 |
| 登録等費用 | 普通車（登録自動車） 移転登録 500円 変更登録 350円 番号変更 無料 一時抹消登録 350円 永久抹消登録 無料 軽自動車等 名義変更 無料 使用者変更無料 住所変更 無料 番号変更 無料 自動車検査証返納証明350円 | 普通車（登録自動車）の移転登録の際には別途自動車税環境性能割等の実費が発生する場合があります。詳しくは管轄の都道府県税事務所に確認してください。 軽自動車の名義変更や使用者変更、住所変更の場合は税留め手数料が発生する場合があります。また、自動車検査証返納届（一時使用中止）自体には費用は発生しませんが、自動車検査証返納証明書の発行に350円の費用が発生します。 |
具体的な手続の流れを説明します。
- 普通車及び二輪車9の場合は管轄の運輸支局・又は自動車検査登録事務所に、軽自動車は管轄の軽自動車検査協会にお車を持ち込みます
- 古いナンバープレートを取り外します。
- ナンバープレートの返納窓口に古いナンバープレートを持ち帰りたいと伝えます。
- 登録窓口で車検証の書き換えを申請します。なお、希望ナンバーや図柄ナンバーに交換、変更する場合は事前の申し込みが必要です。
- 新しい登録番号に書換えられた車検証を受け取ります。
- 併設の都道県税事務所窓口で自動車税の申告をします。（ナンバープレートの交換を除きます）
- ナンバープレート交付所で新しいナンバープレートを受け取ります。
- 古いナンバープレートに再利用防止の穴を開けたものを返却してもらいます。
- お車に新しいナンバープレートを取付けます。軽自動車等はこれで手続きは終了です。
- 普通車の場合は担当者が封印を取付けて手続きは終了です。
忙しい方に朗報！出張封印サービスを活用しよう
平日の昼間は忙しく、自動車を運輸支局まで持ち込む時間がない方は、行政書士による出張封印をおすすめします。
お車を移動させることなくご自宅でナンバーの交換を行うことができます。
出張封印の流れは以下の通りです。
- 1 下記のご依頼お問合せフォームよりお問合せください。
- 2 担当者がご依頼内容を確認の上、必要書類等をご案内いたします。
- 3 車検証の原本や委任状などの必要書類をご準備いただき、担当の行政書士までご郵送ください。
- 4 登録手続き完了後、ご自宅に行政書士が出張して、新しいナンバープレートに封印を取り付け、旧ナンバープレートを回収します。※ 軽自動車の場合はナンバープレートへの封印取付けは必要ありません。
- 5 新しい車検証をお渡しいたします。
- 6 回収した旧ナンバープレートは、後日記念所蔵用の処理を行いご返送いたします。
当法人ではご希望に応じて全国のナンバープレートの記念所蔵のご要望を承っております。 番号変更登録から旧ナンバーの記念所蔵手続、新ナンバーの出張封印までお気軽にご相談ください。
まとめ
先日、筆者の実家の整理中、古い家族写真がでてきました。
写真には家族とペット、それから古いセダン車が当時のナンバープレートとともに写っていました。
家族で海や山にキャンプに行ったことや祖父母の家に帰省したことなど、楽しかったドライブの思い出に、しばし浸ることができました。
写真や動画でたくさんの思い出を気軽に残せる時代ですが、もし手元に当時のナンバープレートが残っていたら、より鮮明に思い出を実感できたかもしれません。
返納したナンバープレートと同じ番号は2度と交付されることはありません。
世界にただ1組のナンバープレートを記念所蔵制度でお手元に残されてみてはいかがでしょう？
- このページでは道路運送車両法第十一条第1項の自動車登録番号標及び同法第七十三条第1項の車両番号標のことを「ナンバープレート」と表現します。 ↩︎
- 道路運送車両法 ↩︎
- 交付期間が過ぎており、新たに申し込むことはできません。 ↩︎
- このページでは道路運送車両法第四条に規定する登録制度の対象となる「普通自動車」「3輪以上の小型自動車」「大型特殊自動車」のことを「普通車」または「登録自動車」と表現します。 ↩︎
- このページでは道路運送車両法第十三条第1項の移転登録及び同法第十二条第1項の変更登録のうち使用者の変更登録、同法第六十七条第1項に係る軽自動車、二輪の小型自動車の自動車車検証記載事項変更申請のうち所有者または使用者に変更のことを「名義変更」と表現します。 ↩︎
- このページでは道路運送車両法第十三条第1項の移転登録及び同法第十二条第1項の変更登録のうち使用者の変更登録、同法第六十七条第1項に係る軽自動車、二輪の小型自動車の自動車車検証記載事項変更申請のうち所有者または使用者に変更のことを「名義変更」と表現します。 ↩︎
- このページでは二輪の小型自動車及び軽自動車のことを「軽自動車等」と表現します。 ↩︎
- 図柄ナンバーから通常のナンバーへ交換する場合や通常ナンバーから図柄ナンバーへ交換する場合など ↩︎
- このページでは二輪の小型自動車及び二輪の軽自動車のことを「二輪車」と表現します。 ↩︎
